江戸・深川の堀にぽつんと浮かぶ小さな島。その中に一膳めし屋「安楽亭」()はあった。ならず者()たちの集まるその場所は、以前から抜き荷(禁制品の密貿易)が行なわれているところだという疑いがかけられつつも、町奉行で()さ()えよくよく立ち入らないほどだった。しかし、新任の同()心が断固たる態度で捜査に乗()り出した()ことで、安楽亭の住人・幾造(中村()翫右衛門())、定七(仲代()達矢)、与()兵衛(佐藤慶)()、政()次(近藤洋介)らは微かに不安を覚えはじめていた。そんな折、女郎屋に売られた幼なじみの娘を探しているという、富次郎(山本圭)という若い男が安楽亭にや()ってくる。[122分/モノクロ/シネマスコープ]